2021年11月22日
文責:北島会計
日本の相続税は諸外国と比して高いと言われています。
本当にそうなのか、以下財務省の「主要国の相続税の負担率」です。
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/itn_comparison/j05.htm
これを見ると、課税価格が20億円であれば日本が最高負担率ですが、1.5億円であればフランスやイギリスの方が高いと言えますね。
次に最高税率を見てみましょう。
国名 | 最低税率 | 最高税率 | 税率の段階 |
---|---|---|---|
日本 | 10% | 55% | 8段階 |
アメリカ | 18% | 40% | 12段階 |
イギリス | 40% | 40% | 一律 |
ドイツ | 7% | 30% | 7段階 |
フランス | 5% | 45% | 7段階 |
(参考:内閣府「2018年度第18回税制調査会説明資料 財務省説明資料(資産課税(相続税・贈与税)について(2/2))
最高税率55%はOECD加盟国トップです。上図記載はありませんが、2位は韓国の50%となっています。
やはり日本は高いと言えそうですが、基礎控除や計算方法なども各国まちまちですので、単純に最高税率だけでは比べられません。
基礎控除は日本が子一人の場合3,600万円であるのに対し、アメリカはなんと65,160万円です。アメリカはOECD加盟国の中で断トツ高額の基礎控除になっています。
アメリカは共和党が、相続税を「国家が国民に放蕩を勧め、子どもを愛することを罰している」と考えて基礎控除を引き上げた経緯があります。
相続税がないことを売りにしている新興国もあります。これは富裕層を国内に招き入れた意図や、そもそも徴税制度が未成熟で、国家が個人資産を把握しきれていないという理由があります。